二月中旬のとある曇天の日。写真撮影には快晴や晴れの時とは、また少し違う心持が必要。今日は寒さ厳しい折と言いたいところだが、花も開花を急かされるような暖かな日。
曇りの時は、本格的に曇っている時もまた良い。雨はまず降らない。でも絶対に太陽は顔を出さないというような日だ。白からグレーへ、グレーから黒へ変化する二色だけの色使い。モノクロで撮っても良いのだが、カラーで表現するのが面白い。所々に小さく映える白黒以外の色に一層味が出る。
その色はあまり大きくないほうが良い。今日の被写体は梅だ。梅は枝ぶり。花は小ぶり。曇りの時こそ、その力を発揮するように感じる。しっかりと手入れされているのであろうその枝は、グレー一色の背景に、まるで黒い血管のように、そしてまるで生き物のように、いや、植物だから生きているのだが、疎痩横斜に重ねた年月を造形している。
■Lens:NIKKOR Z70-200mm F2.8/NIKKOR Z 24-70mm F4
■Adobe Lightroom Classic
■MAP①: 曇り時々梅①